結婚式の余興ムービーは、ゲストや新郎新婦からの人気演出として注目を集めています。
スケッチブックリレーやパロディムービー、オープニングムービーなど、様々な形式があり、幅広い年齢層のゲストに分かりやすく伝えられる魅力があります。
しかし、制作には注意点やマナーがあり、適切に対応しないと会場の雰囲気を損なう可能性もあります。
結婚式で余興ムービーが人気な理由
この数年、結婚式の余興としてゲストから、そして新郎新婦さまからゲストへ行う演出としても人気の高い余興ムービー。
ゲストから新郎新婦さまへは
- スケッチブックリレー
- メッセージリレー
- パロディムービー
などが人気です。
新郎新婦さまからゲストへは
- オープニングムービー
- プロフィールムービー
- エンドロール
- サンクスムービー
など披露宴の中でも、余興ムービーはさまざまなシーンで流すことができます。
結婚式といえば、小さなお子様からご年配まで幅広い年齢層のゲストがお越しです。
余興や演出は、そのゲストみなさまにわかりやすく伝えることが盛り上がりを見せるコツ。
その点余興ムービーは言葉と映像、そして音楽も織り交ぜながら大きなスクリーンで流され、老若男女問わずわかりやすいのが魅力。その結果、会場全体を盛り上げることができるのも人気の理由です。
しかし一方では、余興ムービーはちょっとしたことがキッカケで、会場を盛り下げてしまう可能性も……。
余興ムービー制作における注意点
余興ムービー制作で最も重要なのは、事前の試写です。
PCで再生できても、式場の機器で動作しない可能性があるため、DVDに保存して確認が必須です。また、PCから直接上映する場合は、式場の許可を得て、設置場所やコンセントの確保が必要です。
これらの注意点を守ることで、当日のトラブルを防ぎ、スムーズな上映が可能になります。
試写必須!事前に流れるのか確認
自宅のPCで動画が再生できたからといって、式場で必ずしも再生できるとは限りません。
まずは、完成した時点でパソコンからDVDに保存。
そしてパソコンではなく、DVDプレーヤーで問題なく流れるかどうかをチェックしてみてください。
そして無事流れたら、それを結婚式よりも前に式場に持参し、式場のプレーヤーでも問題なく読み込むかどうかを確認します。
多くの場合は、自宅の一般的なDVDプレーヤーで流れたものは、式場のプレーヤーでも流すことができます。ですがPC上で流れたものは、式場のDVDプレーヤーで流れないことも多々あり、事前に確認を怠ってしまうと、結婚式当日にせっかく作った余興ムービーを流せなくなる可能性も……。
結婚式の余興や演出で、映像や動画を使用する場合には、事前試写は必須です!
PCから直接上映する?
多くの式場では、余興ムービーや演出で使う映像をPCから流すことをおすすめしていません。その理由は、PCトラブルや操作不良により本番に流れなくなってしまうトラブルを防ぐためです。
ただゲストや新郎新婦さまの「どうしても」という場合には、一部OKをしているところも。
結婚式でどうしてもPCを使って動画や映像を流したい場合には、必ず事前に式場側に了承を得るようにしましょう。
その上で、PCの設置場所やコンセントの場所を確保するようにします。
余興ムービーの失敗例からNG事項やマナーを知る
余興ムービーを成功させるには、いくつかの注意点があります。
曲の重複を避け、メッセージの音質に気を配りましょう。著作権に配慮したBGM選びも重要です。
また、5〜8分程度の適切な長さを心がけ、ゲストの集中力を維持します。事前の試写は必須で、PCトラブルを避けるため、DVD形式での上映をおすすめします。
内容は幅広い年齢層に配慮し、下ネタは厳禁です。これらの点に注意して、心のこもった余興ムービーを作成しましょう。
曲がかぶってる…
余興ムービーに使う曲は、披露宴で使用されていない曲を選ぶようにします。
結婚式に関わることは「もう一度」は避けるべきというマナーがあります。
同じことを繰り返す行為は「再び」というイメージを与えてしまい、結婚式の場合は「再び結婚をする=再婚をする」というイメージに紐づけされてしまうからだそう。
余興ムービーで使う曲も、可能なら事前に披露宴で同じ曲が使われる予定になっていないかをチェック。
ゲストが余興ムービーを作るときに、新郎新婦さまに直接聞きにくい場合には、式場に問い合わせをすれば教えてくれます。
結婚式当日に余興ムービーを流して、初めてそこで
「新郎新婦の作ったプロフィールムービーと、ゲストが作ったメッセージムービーの曲がかぶってる……」
なんて気まずい雰囲気にはなりたくないですからね……。
メッセージが聞こえにくい…
たくさんの方からメッセージを頂く余興ムービーは、新郎新婦さまにもサプライズになりおすすめです。
ですが、たくさんの方からそれぞれメッセージを撮影して送っていただくため、撮影状況によっては
「メッセージが聞こえにくい……」
という失敗例が多発します。
メッセージ撮影を依頼する場合には、
- 「できるだけ周囲の騒音が無い場所で」
- 「室内でのメッセージ撮影をお願いします」
など事前に伝えておくことをおすすめします。
ですが、どうしても音量の調整が難しい場合には、テロップ(字幕)を入れてメッセージをわかりやすく伝える方法も。
最近はスマホの無料アプリでも、簡単に動画にテロップを付けることが出来るものもあるんですよ。
【VideoShow】
動画のトリミング・BGMの挿入・テーマの適用・字幕の挿入・図形の描画(落書き)・ステッカーの貼り付け・ 再生速度の調整などが可能です。
App Storeで見る
Google Playで見る
【FilmoraGo】
動画のトリミング・動画の回転・フィルタ、オーバーレイ・BGMの挿入・テーマの適用・映像効果の適用・字幕の挿入・保存画質の選択などが可能です。(windowsの無料体験版Filmoraもあります)
App Storeで見る
Google Playで見る
ぜひ、参考にしてみてください。
BGMが著作権で使えない!?
映像や動画の雰囲気作りには、BGMも重要な要素。
この数年、著作権に関して取り扱いが厳しくなりました。結婚式で使うBGMも同じく、事前に申請をしておく必要があります。
式場によって対応が異なっているので、使いたい曲が決まったらそのまま映像の作成に入るのではなく、事前に式場へ確認をしてみましょう。
結婚式当日になって
「この曲は使えないんです……」
なんてことになったら、大変ですから!
結婚式の余興で使用する曲の取り扱いについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、是非合わせてご覧ください。
『結婚式の余興で使うBGMの著作権って?ISUMへの申請方法を紹介』
時間が長すぎた…
結婚式で使用する余興ムービーの長さは、5~8分程度に収めるようにします。
これ以上長くなってしまうと、ゲストの集中力が途切れてしまうからです。
また式場によっては、余興ムービーを流している間、ゲストがムービーに集中できるようお料理のサービスを止めておくところもあります。
料理を楽しみにしているゲストが多いのにもかかわらず、長すぎる余興ムービーが原因で「温かいものは、温かいうちに」が叶わなくなってしまう可能性も……。
余興ムービーは「もうちょっと見たかったな」くらいの余韻を残す程度の長さがベスト。
8分以上の長さの余興ムービーは避けるようにしましょう。
ゲストもスタッフも凍りつく…『映像が流れない』
余興DVDを作ったら、結婚式本番を迎える前に試写は必須です!!
とある夏の結婚式の出来事でした。
もちろん、この余興ムービーを担当してくださる新郎のお友達にも「事前に必ず試写した方が良いので、送るか持参かしてください」とお願いをしていました。
ですが、お仕事が多忙なこともあり、そしてなかなか思い通りに余興ムービーの制作作業が進まなかったということもあり、結局結婚式当日に試写することに……。
トラブル1・プレーヤーが読み込まない!
結婚式本番の1時間前、余興ムービーを作られたゲストが持参したDVDは、残念ながら式場のDVDプレーヤーでは読み込みができませんでした。
結局、念のためにと持参されていたパソコンから流すことに。
トラブル2・パソコンが謎のフリーズ
リハーサルの段階では、パソコンからDVDを流すとどうにか流れたので、これで本番を迎えることになりました。
ですが……
本番中、映像がなんども引っかかるように止まり、そして終盤手前になって謎のフリーズ状態……。
会場の中は、ただただ静まり返り……。
司会者がどうにかアドリブで場をつなぎ再試行してみましたが、結局パソコン自体の具合が悪いということで、余興ムービーは途中で終わってしまうという結果に……。
急遽、予定になかった『余興ムービーを作ったご友人へ、司会者がインタビュー』をすることで、その場は終わりました。
ですが「映像が流れない」となってからの、あの会場が静まりかえる雰囲気……。焦るご友人……。
そして、新郎新婦おふたりの心配なのか、残念だったのかという微妙な表情が忘れられません。
余興ムービーは段取りをしっかり組んで!
上記のご友人の失敗ポイントは「スケジュール組みがしっかりできていなかった」とおっしゃっていました。ただでさえ、仕事で忙しい日常生活。その中に、慣れない映像制作ともなると大きな負担になることでしょう。
そうなると、とても重要になるのが制作工程のスケジュール組み。いつ、どんな作業をするべきかを一緒に作業するご友人たちと共有しておくことが大切ですよ!
映像を作る作業は、きっと慣れていない人がほとんど。そのため、準備期間には余分すぎるくらいの余裕を持って取り組むことが大切です。
ご自身で自作される際にDVDをどういった手順で焼くとよいかをまとめていますので良かったら参考にして下さい。
『結婚式に自分でDVDを制作する際に注意するべき3つのポイント!』
子どもが騒ぎ出す…『間延び』の残念さ
余興ムービーの収録時間は、長くても10分弱を目安にします。これ以上長くなってしまうと、ゲストの集中力も途切れてしまい、お料理の手も止めてしまうからです。
「もうちょっと見たかったな」くらい名残惜しい感覚になるくらいがベスト!
筆者が見たたくさんの余興ムービーの中でも、やはり10分以上のものはたくさんありました。
ですが、10分を超えてしまうと、ゲストの笑いも少なくなり……愛想笑い?な雰囲気にも。正直者の子どもたちは、しゃべる出すところか、歩き回りだし……。
そして、本来であれば映像中ゲストに見ることに集中していただくために止めていたお料理出しも、致し方なく始まり……。と、よりゲストが見ることに集中できない環境になっていくのです。
余興ムービーは時間が長くなれば、なるほど起承転結がしっかりとされている構成が求められるもの。高度なテクニックが必要になるんです。
そのため余興ムービーはできる限り10分以内くらいで収めるように作りましょう。
『おふざけが過ぎる』友人たち
結婚式には、友人世代だけではなく年配の方やお子様など幅広い年齢層のゲストが来られています。
余興ムービーのネタを考えるときに知っておくべきマナーとして、下ネタは厳禁ということを心得ておきましょう。
笑わない親戚テーブル、引きつる花嫁……
余興は、ある意味新郎新婦おふたりやゲストへサプライズのようなもの。どんなことをするのか当日になって初めてわかることが殆どです。だからこそ、喜んでもらえるのですが……。
この余興ムービーは悪い意味でサプライズとなってしまったのでした。
その日の結婚式で、流れた映像からは……。
全裸の新郎ご友人たち数名が楽しげに踊りながら……。もちろん、写ってはいけないところにはイラストで加工はしているのですが、とてもとても結婚式ではOKな映像とは言い難いものでした。
新郎側のご親族は、なんとか笑っておられたのですが、新婦側のご親族とご友人は笑わないどころかご両親は明らかにご立腹……。花嫁さまもゲストの表情を見て空気を察知され表情が……。
控え室で新郎新婦が喧嘩をすることに
余興ムービーのあとの披露宴内では、花嫁さまは笑顔で滞りなく過ごされたのですが、問題は結婚式が終わったあとのこと。
控え室で「結婚式の雰囲気を台無しにされた」と相当のご立腹。
しかし「せっかく友達が作ってくれたんだから」と新郎さま。お互い意見の折り合いを見せることなく、二次会会場に移動されたんですが……。そのあと、かなり険悪な雰囲気のまま二次会となったとか。
お友達中心の二次会なら、ちょっとくらいハメを外すような内容はOK。
けれど結婚式での余興ムービーに関しては、下ネタは絶対NG!恥をかくのは、余興を作った本人たちだけではありません。新郎新婦おふたりの顔に泥を塗ることにもなってしまうのです。
映像、コメント内容には細心の注意を払いましょう。
結婚式当日の余興ムービー段取りをチェック
「準備もすべて整ったし、あとは本番を迎えるだけ!」と安心はまだ早い!
本番で余興ムービーを流す前と後の段取りもしっかり事前にイメージトレーニングしておきましょう。
余興ムービーを流す前後の段取りをイメージトレーニング
新郎新婦さまが映像や動画を使って演出を行う場合には、DVDさえ作っておけば、当日の段取りは式場側にすべてお任せすることができます。
ですが、ゲストが余興として余興ムービーを使用する場合には、流すのは式場側ですが余興ムービーを流す段取りは事前に自分たちで決めておく必要があります。
- 余興ムービーを流す前にはどんな挨拶をするのか
- 余興ムービーを流し終わったあと、誰がどのような言葉で締めくくるのか
など、自分たちの出番の流れを余興メンバーで事前にイメージトレーニングしておきましょう。
こちらの記事では、ゲストが余興を行う際の挨拶の方法について詳しくご紹介しています。
『【結婚式の余興を控えたあなた必見!】好印象を与える挨拶の方法』
余興ムービーをプレゼントするなら…
余興ムービーの魅力は、結婚式当日にムービーの披露が終わったらそのまま新郎新婦さまにそのDVDを記念としてプレゼントできるところ。
そのためには、DVDをプレゼント仕様にしておくことをおすすめします。
結婚式本番で流すDVDとは別に、新郎新婦さまにプレゼントできるようラベル作りやラッピングをしておくと、余興ムービーを流し終わったあとに
「新郎新婦さまにプレゼントです」
とそのままゲストみんなの前で、披露宴中に贈ることができますよ。
プロが教える余興ムービーの作り方
余興ムービーを初めて作る方に向けて、余興ムービー作りの完全マニュアルを作成させて頂きました。
以下の内容をまとめた記事になりますので、これから余興ムービーを制作される方は気になるポイントをチェックしてみてください。
『余興ムービー作りの完全マニュアル!アイデア集、制作のポイント 、撮影、編集方法を紹介』
- 余興ムービーを作る上でまず知っておいて欲しいことー構成編ー
- まずこれは抑えておいて欲しいことー制作のポイント編ー
- どんな余興をつくるかを探すーアイデア・ネタ編ー
- 制作したいムービーの作るポイント を解説ー作り方編ー
- 撮影初めての方抑えておくポイント ー撮影編ー
- クオリティアップのためにBGMとオープニングにこだわろうー素材編ー
- あなたにあった編集ソフトやアプリを見つけるー動画編集編ー
- 動画の編集は業者に頼むのもあり!?ー番外編ー
まとめ
結婚式の余興ムービーは、適切に準備することで素晴らしい思い出となります。
曲の選択、音質の確保、著作権への配慮、適切な長さの維持など、細かな点に注意を払いましょう。事前の試写や段取りの確認も忘れずに。
これらの注意点を守ることで、ゲストも新郎新婦も楽しめる心温まる余興ムービーが完成します。不安もあるかもしれませんが、思いを込めて制作すれば、きっと素晴らしい作品になるはずです。自信を持って取り組んでくださいね!